富士山の植物

108日にCSTの研修として、富士吉田市にある山梨県環境科学研究所と富士山5合目に行ってきました。
午前中は、環境科学研究所で富士山の植物について植物生態学と共に教えていただきました。
その後バスで富士山5合目に移動し、実際に植物の様子を見てきました。
5合目はもう、冬の格好をしてもじっとしていれば寒いくらいの気温でしたが、天気に恵まれ日差しも強く、歩くと温まりました。
午後のお話は、午前中の説明を受けてからでしたので、実際に植物を目にしながら聞くとますますよくわかりました。
CST受講の2年生も、植物の社会を人間の社会にたとえながらおもしろおかしく学んでいました。「大器晩成型」、「パイオニア」、「こいつは大成功した」、「競争に負けた」等、植物の世界もいろいろと大変そうでした。

↑風雨か何かの原因で木々が倒れ、中くらいのギャップができた場所の写真。ここぞとばかりに伸びてきたカラマツ(黒)と、出遅れてそのうち日当たりが悪くなりそうなカラマツ(白)。

 

また、開拓者のミネヤナギが根をはった場所を利用して、カラマツが生えてくる様子がみられるところがあったのですが、その時の野中さんの言葉が印象的です。

「まぁ、生き方だからしょうがないよね。(笑)」

ミネヤナギは荒れ地に根をはり、どんどん増えながら荒れ地を開拓していきます。ミネヤナギが荒れ地の土を根でとどめるので、カラマツはそこに生えることができます。そのうちカラマツはミネヤナギよりも成長して、ミネヤナギを日陰にしてしまいます。ミネヤナギは枯れます。

カラマツに利用されてしまうミネヤナギを残念に思いました。しかし、少々カラマツに乗っ取られたとしても、荒れ地をどんどん開拓していくミネヤナギ。ミネヤナギはこのように生きる道を選んだのですね。

「雪は積もると木を守ってくれるが、積もりすぎると折れる枝も出てくる。」そんなお話もあったのですが、犠牲があって生きる、人生全てうまくいくなんてことはない、と改めて教えてもらった気がします。

自らの生き方を貫くミネヤナギがかっこよく見えました。

 

今回は天気も良く、美しい富士山を臨めた上、楽しい体験ができました。

富士山の生態系については解明されていないことが多いそうで、まだまだ研究されるべきところがたくさんあるようです。

また、人が手を加えることによる環境の変化や、問題が起きているそうです。

私も山梨県人としてもっと富士山の生態系をアピールしていこうかな!

いつか教員になったら、総合的な学習の時間等で扱ってみたいと思います。

環境科学研究所の中さん、たいへん丁寧でわかりやすいご説明、ありがとうございました。

ニコニコ笑顔で教えてくださり、笑いありでとても楽しかったです。

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「富士山の特徴」と「富士山の植物の特徴」を記載します。出典

「富士山の特徴」と「富士山の植物の特徴」を記載します。出典は中野先生の講義のPPです。
○富士山の特徴(他の山岳と異なる点)
 1.標高が著しく高い。3776m
      (日本第2位は北岳の3193m その差600m)
 2.火山である。
      (乗鞍など一部の火山をのぞき造山運動で作られた)
 3.山の歴史が新しい。
      (最終氷河期以降に形成された山で氷河期を一度も経ていない)
 4.独立峰である。
      (南アルプスなどから隔離されて低地の海に浮かんだ島)
 5.比高が大きい。
      (0mから3776mまで連続した斜面が続く)
 6.土壌が未発達。
      (火山性噴出物による未発達な土壌が続く :貧栄養で乾燥)
 7.単純でなだらかな山容。
 8.大規模なスラシュ雪崩(雪代)が頻発する。

○富士山の植物の特徴
 1.他の山岳ではあまり見られない植生が多い
    樹木限界上部のスコリア荒原上草木群落、五合目付近のカラマツ林
    溶岩流上のアカマツ林、青木ケ原のヒノキ・ツガ林、山中湖のハリモミ林
 2.富士山にしか見られない植物は無い
    山の歴史が新しく、新しい種が生じるのに十分な時間を経ていない
 3.高山植物が少ない
    イワヒゲ、イワツメグサ等数種類
    高山植物は氷河期に分布を広げた植物が高い山に残ったもの
 4.他の山岳では個体数が少ない植物の個体数が多い
    火山性土壌で貧栄養、乾燥:乾燥地に強い植物が多い
     (オンタデ、フジハタザオ等)
 5.特に標高が高いところで種類が少ない
    イワヒゲ、イワツメクサ、オンタデ等十数種類
 6.土壌が未発達で乾燥地を好む種が多い
    カラマツ、イタドリ、オンタデ、アカマツ、フジアザミ等
 7.植林地が非常に多い
    三合目から下はほとんどが植林地(カラマツ、シラビソ、アカマツ等)